■用語の定義
・M指数 : 最終的に算出された当該レースの馬個別の指数のこと(旧名称∞指数)※仮称
・レース指数 : レースごとの価値を数値化したもの
・馬指数 : レース指数に馬ごとのパフォーマンス情報を付加して数値化したもの
・前走 : 前走情報
・今回 : 当日のレース情報
・P : 補正ポイント。プラス補正、マイナス補正どっちもあり


■M指数(仮称)の計算式
M指数 = (前走)馬指数+(前走)着順P+(前走)メンバーレベルP+(前走)頭数P+(近3走)パフォーマンスP+(今回)芝ダートP+(今回)距離P+(今回)騎手P


■各指数の説明
①レース指数
 基本的な考え方としてはスピード指数と似ていると思っていただいて問題ない。
 条件ごとに設定したレースの基礎ポイントに、基準タイムと走破タイムとの差分、馬場状態、独自に調整したペース補正を加減算して求める。

②馬指数
 レース指数にタイム差、パフォーマンス、騎手補正を加減算して求める。
 パフォーマンスに関してはノウハウなので非公開。

③M指数
 計算式は上述のとおり。15年~17年の3年間の全レース(障害戦を除く)を対象に複数パターンでシミュレーションし、一番成績が良かったパターンで計算を行っている。
 指数の基礎となり、数値のほとんどの割合を占めるのは「前走の馬指数」である。これは過去に、近何走かの指数を平均化したり、中央値を求めて試してみたりと検証してみた結果として、前走の指数が価値が高いと判断してものである。
 ただし、「前走」だけでは正しい馬の能力を把握しきれないため、補正情報として「近3走のパフォーマンス」を付加している。当指数ではこの情報を最も重要視しており、他者との差別化を図っている部分である。この情報を付け加えることにより、例えば、前走極端に成績が悪かった場合でも、能力のある馬を拾えるような仕組みになっている。
 その他のポイントについては、経験上レース結果に影響を及ぼす要因で普遍的な情報をピックアップしたものであり、それぞれについて独自の補正を施している。例えば、前走がダートで今回が芝替わりの場合に補正をかける、今回が距離延長の場合に距離の差分に応じて補正をかけるなどがある。


■未考慮事項
M指数を算出するうえで考慮していない事項は次のとおり。
・レース間隔
 過去の記事にも書いてはいるが、当該馬のレース間隔によって成績に若干差が出ることは認識しているが、指数には反映していない。
・調教
 重賞予想では調教をかなり重要視しているが、指数には反映させていない。理由としては、調教評価が主観に基づくものであり安定性がないため。
・馬体重、オッズ、当日の馬場状態等の変動要因
 普遍的な情報のみしか考慮しておらず、前日時点で取得可能な状態しか考慮しない方針のため。
・地方のレース、過去に出走がない馬
 地方のレースは中央と基準が全く違うし、明確な指標がなく費用対効果が薄いことからないものとみなしている。また、過去に中央で出走歴がない場合、指数値を強制的に-999としている。


■指数の得手不得手
・基本的に芝よりダートのほうが信ぴょう性が高いという特性
 これは恐らく自分の指数固有の事象というより、指数そのものが抱える問題点であるって認識。芝はダートに比べ着差がつきにくく、スローぺースが多いことが原因と考えている。
・長距離は指数の正確さが乏しい
 極端なスローペースが出現しやすいため、パフォーマンスPで補正を加えても補正しきれない、または極端な上振れが発生する場合がある。
・キャリアの浅い馬の指数が相対的に低くなる場合がある
 近3走のパフォーマンスによりプラス補正が掛かる馬は恩恵を受けるが、反面、キャリアが1,2戦など浅い馬についてはデータが存在しないためプラス補正がかからない。
・オープンレースに不得意傾向
 様々なステップが混在しやすいOPはやや苦手。前走着順で差をつけたりレースの基礎ポイントを統一したりでフラットになるように工夫はしているが、それでもブレが発生しやすい。


■指数検証結果データ
指数検証結果データ

全ての条件、人気などを総まとめしているため、当然ながら単回収率は伸びません。
ただし、個別にフィルターをかけていけば単回収率100%となるロジックは多数発見しています。

「指数上位なのに人気がないので期待値が高い」、「人気があるのに指数が低いので軸には相応しくない」、「指数も人気もあるので信頼性が高い」…など、活用方法はさまざまです。馬券の判断材料のファクターとして有効な情報です。今まで主観で判断していたことが定量的な値として明確化できているため、予想のブレがなくなるというのが大きなメリットとなります。

そして、最後に重要なことを一つ。
指数に全てを決めさせるのは間違いです。

指数はあくまでも参考情報として捉えるべきだと、指数の創設者と言われるアンドリュー・ベイヤー氏も以下のように述べています。現に自分も、単勝回収率が100%を超えるロジックは個別に用意しています(その中のうち幾つかは指数を応用して作り上げたロジックですが)。指数はあくまでも何らかの別の理論で導き出された馬ありきであり魔法のようなものでもない。相手を絞り込むための「手段」にすぎません。

こうして指数をつくれるようになると、自分が全能の科学者であると思いこむようになる。普通ならまごついてしまうようなことでも、いとも簡単にわかってしまうからだ。

四歳馬(注:現三歳馬)が古馬に勝てるのか。3000ドル級のクレーミングレースで際立った勝ち方をした馬が5000ドル級に昇級しても勝てるのか。こんな問いにも、調教師よりずっと正確に答えられるだろう。指数が一番だというだけで、機械的にその馬に賭けても、大勝利を収めるかもしれない。だが一つ、大切なことをわかっていないと落とし穴にはまってしまう。

スピードハンディキャッピング(注:スピード指数を使った予想)に目覚めた人がほとんどそうであるように、僕もその落とし穴にはまってしまった。自分のはじき出した指数にうっとりしてしまい、根本的にふまえておくべきことを無視してしまったのだ。指数を“福音”として考え、今までどのようなレースをしたかを知るためではなく、今回どんなレースをするかを指数に決めさせてしまったのだった。道具として使わないで、決定権を与えたのだ。指数は魔法でも、絶対確実なものでもない。どのレースでも、前走高い指数だったという理由だけで馬に賭けるなら、トータルでは賭け金の三十%ぐらいしか戻ってこないし、結局、細々と稼ぐことになるだろう

             ~『勝ち馬を探せ!!』●アンドリュー・ベイヤー/著●山本尊/訳(メタモル出版)より抜粋


以上を踏まえ、M指数をご活用ください。

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